ふぐ
日本のFUGUは安全で美味しい

「日本産フグ&水産物輸出拡大プロモーション」in シンガポール

事業概要

事業名 「日本産フグ&水産物輸出拡大プロモーション in シンガポール」
主催者 水産物・水産加工品輸出拡大協議会
事務局 国際ふぐ協会
実施日 2022年8月3日~8月6日(解禁に向けたPR)
2022年8月31日~9月3日(解禁PR)
2023年1月29日~1月30日(解禁後PR)
受託者 エグジビション テクノロジーズ(株)
委託業務 シンガポールに於いて実施される水産物(フグ)のプロモーション業務全般
プロモーション食材の収集、輸出、サンプル配布、会場手配、告知、アンケート配布・回収、集計、資料作成
事業目的 シンガポール継続的にフグのプロモーションを行い、需要を喚起し続けてきた。晴れて8月31日より養殖フグの白子、皮、ヒレの輸入解禁が決定しました。レストラン関係者やサプライヤーなどに周知を行うこと、また輸出拡大のチャンスとなるよう広くレストラン業界に宣伝する必要があると考えました。
事業内容 1).養殖フグ輸入解禁前にレストラン関係者やサプライヤーを招致し、現地のホテル会議室にて概要の説明と今後の対策について協議を実施した。
2).輸入解禁レセプション(ジャパンクリエーティブセンター(JCC))にレストランオーナーやシェフ、サプライヤーなどへ日本産フグのフルコースを調理、試食で提供し、日本産フグの輸出解禁をアピールした。3).レストランでの試食会
日本の水産物に適切な理解がある日本食レストランを選定し、旬の養殖フグの白子等を持ち込み、来場したシェフ達にに味、安全性、流通等の認知拡大の活動を行った。
成果 輸入解禁レセプション等、バイヤー24店(39名)へのPR活動等により、約5,000万円の成約見込みを得た。

事業内容

輸入解禁に向けた日本産養殖フグプロモーション

目的
2022年8月31日より、シンガポール政府が日本産養殖フグの白子、皮、ヒレについて輸入が解禁されることになり、この機会を逸することなく現地でスムーズに検疫手続が実施され、バイヤーに広く告知し、理解を深める必要があると考え、レストラン、サプライヤー、量販店等の対象とした事業者説明会を実施しました。
事業者説明会
2022年8月3日

主要事業者訪問によるプロモーション活動

1)四川豆花飯荘 支配人・リンダ氏

「シンガポールで、高品質な日本産フグが輸入解禁されること、大変素晴らしいことです。ぜひ当店でも中華系の方々を主としたプロモーションを実施したい。まずはサンプルをいただき、シェフにメニューを考案させてください。その後、10月~12月にかけて、プロモーションを実施したい。」

2)Omiパシフィック 代表・中来田氏、Ivan氏

「バルクオーダー(大きな受注)を狙うのであれば、シンガポールでは中華しかない。量、人数、価格等、中華の需要は圧倒的です。四川豆花飯荘が発信源となり、中華市場に広がることが期待できます。中華市場では、白子が凄い人気になる可能性を感じます。」

3)厨ダイニングby RE&S 肥塚氏

「シンガポールには、ファインダイニングと呼ばれる高級カテゴリー($350~/人)があり、その中で当店は下位層に位置している。日本料理が多く属しており、日本酒・十四代は50万(本)~という価格で提供されている。」
「富裕層のほとんどがシンガポーリアンで、日本人が考える100SGD/食程度は、富裕層というイメージの価格ではない。よって、同店での日本人客は、5%以下である。特別な富裕層は、ファインダイニングを週に何回も巡っており、その人たちにフグを知っていただいた方が、周知が早いと考える。」
「コロナ禍で海外旅行が出来ない時、国内でお金を使う先がなく、レストランで使用していただくことが多かった。海外旅行が解禁された今、客足は、減少傾向ではあります。」

4)厨ダイニングby RE&S  肥塚氏 「輸入解禁のプロモーションには、ぜひ参加させていただきたい。前回のプロモーション時もお客様にとても喜んでいただいた故です。」「安価なプロモーション・ツールは、かえって食品の質を低下させてしまいます。高品位な日本を感じさせる木製で筆文字の看板が良い。
このようなベタな日本的な感じが、シンガポーリアンにウケると思います。」
5)折原商店(日本酒バー)担当者:ディレクター・佐藤氏 「ヒレ酒は、ぜひ欲しい。“ぬる燗”が流行っているくらいなので、“熱燗”でも現地の方々に受け入れていただけると思われる。フグのヒレ酒は、今までの日本酒とは、全く別のカテゴリーとなると思われるが、人気になること間違いないと思われる。」
6)玄品シンガポール 担当者:店長・濱田氏、部長・江崎氏 「フグ専門店として、日本からの輸入解禁のニュースは、大変喜ばしいことです。」「弊店では、日本産フグしか扱っていません。中国産であれば、ローカルが嫌がる傾向があります。日本産フグに大きなチャンスです。」「解禁記念イベントは、ぜひ取り組ませていただきます。スタッフが2名程度なので、20名に限定して、フグコースを振るいたい。」

主要関係先への訪問活動

1)在シンガポール日本国大使館/JCC(ジャパン・クリエイティブ・センター)

担当者:二等書記官・内山氏、塙氏「日本産養殖フグの輸入解禁がテーマであれば、レストランオーナーを招聘した方が良い。」
「フグは日本人でも知らないことが多い魚種なので、最初に面白いトピックを説明し、試食に移ることとする。」

2)シンガポール食品庁(SFA)

担当者:Jenny Loi 、Natalie LIM Risk Management & Surveillance Department | Joint Operations Division
・輸入解禁に至るプロセスへのサポートについて、ご協力をいただきありがとうございました。(双方)
・7つの可食部位(皮、口、頭、カマ、胴体、ヒレ、白子)と日本のフグ種類毎の3つの可食部位皮「筋肉、皮、白子」、口、ヒレは外側の部位がついているので「皮」、頭、カマ、胴体の中骨、身は「身」、白子は「白子」、この認識を確認して連絡をいただけることとなった。
※過去、中骨が含まれていて輸入不可との見解の担当官がいた。

・現地のスーパーマーケットにフグ一夜干しが販売されており、これは天然シロサバフグが原料であるが、ヒレがついているので本来は輸入不可ではとの問いに、不可であることの共通の認識を得た。
・担当官によって通関の違いが生じる理由は、全ての食費材に精通しているわけではなく、証明書が分かり辛い場合もあり、時間も手間もかかるので、ぜひとも衛生証明書の明細の最初にWILD/FARMED欄を追加してほしいと要望され、在シンガポール日本国大使館を通じて厚労省食品安全監視課に伝えた。
・ 8月31日に初荷となる日本産養殖フグを輸出し、9月1日にJCCに於いて記念レセプションを催す予定であり、そこで使用するフグについては、特にスムースな通関にご協力をいただけるよう依頼したところ、「シンガポールで登録されたサプライヤーが衛生証明書を正しく添付され、ルール通りに行えば何も問題もありません。」との返答をいただくことができました。
※ 出荷前に衛生証明書などの情報を共有することにしました。
3)シンガポール日本人会日本人会

担当者:副事務局長 竹本英男氏
・13,000人/4000世帯が加盟しており、現地で小学・中学校を運営。営利目的のサポートは不可だが、チラシなどは掲示でき、茜レストラン(現在改装中9月中旬まで)の料理長にも案内いただけることとなった。

輸入解禁プロモーション

メニュー
養殖フグ輸入解禁特別メニュー (使用原料は大分産と長崎産の養殖トラフグ)
サンプル試食メニュー

乾杯酒:東洋美人の冷たいフグヒレ酒
熱燗:フグヒレ酒
刺身:フグ刺身、フグ皮湯引き
薬味:下関フグネギ、紅葉卸、ヤマカ醤油のすだちポン酢、サンバルソース
蒸し:フグの白子蒸し
司:フグ寿司
揚げ:フグ唐揚げ
鍋:フグちり
〆:フグ雑炊

フグヒレ酒
フグ寿司
刺身
試食風景

試食提供時、高級との印象は、白子、寿司、刺身とのことです。特に、白子の提供時には、会場がざわつくほどでした。
唐揚げも好評で、試食中にインタビューができないほど、皆さん集中しておられました。

総括

この度シンガポールで養殖フグの白子、皮、ヒレの解禁が行われたこと、水産物・水産加工品輸出拡大協議会、JETRO、在シンガポール日本国大使館、厚労省、水産庁、SFA、JF全漁連、全海水など皆さんのお蔭様と改めて感謝申し上げます。
9月1日JCCでの養殖フグ輸入解禁イベントも成功を納め、シンガポールでフグ食文化が発展する最高のスタートが切れたと思います。
概ね日本食レストランでは輸入解禁を歓迎しており、フグメニューの検討も進めてもらっています。現地で2,000店に増加した日本食レストランと10,000店以上ある中華レストランで日本産養殖フグがメニュー化されれば大ブームになると思っています。今回解禁された養殖フグの白子、皮、ヒレだけでもその力があると感じました。また今回はSFAとも深くコミュニケーションをとり、養殖フグの頭、中骨、カマ、口、皮、ヒレ、身、白子と7種の部位は日本のルールの筋肉、皮、 白子の3つの部位に全て該当することも両政府で認識を共有してもらいました。さらにSFAから間違いを防止するため英文の衛生証明書に養殖と天然を最初に記入してほしいとの変更要望も大使館経由で厚労省と連携して対応しました。天然フグの筋肉部位も輸入できることを知らない、またはSFAの検査官によっては骨があるのでNGと言われていた商社はフグの輸入を断念していましたので、これからが楽しみです。
寿司と日本酒文化がシンガポールに深く浸透しています。どちらにもフグが関わることができれば良いと思います。1点気になったのはフグ刺身などつくるには現地のシェフの技術では不十分だと感じました。ただ、素人ではないので、ポイントさえしっかり教育すれば、養殖フグのミガキから刺身をつくることができますので、現地で刺身を作る技術を広めなければならないと思いました。10月から12月にかけて当会地域代表を務める高級中華レストランで本格的な養殖フグを使用した四川料理フェアーが実施しました。現地及び外国人のゲストからも反響が大きく、ゲストの皆さんは非常に興味深いと感じておられたようです。ただ11月に入り、フグメニューを採用したレストランへ輸出された多くの荷物がSFAのインスペクション検査にて実質4~5日間荷物を動かせず、問題となりました。以前解禁された牡蠣でも当初はインスペクションが多かったようです。
1月には旬の白子を味わうプロモーションを実施して、シェフ達の反応を見て、現地で白子の人気が拡大するとの感触をえました。しかし、我々はインスペクション検査の問題も体験し、イベントに参加いただいた石川全権大使にご相談したところ、日本政府と連携してこの問題に取り組んでいただくようになりました。シンガポール市場での日本産フグに対する期待の表れだと感謝しております。今後日本のフグ食文化がシンガポールでさらに広がっていくことを心より願っております。

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