事業概要
事業名 | 「日本産ふぐ&水産物輸出拡大プロモーション in シンガポール」 |
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実施期間 | 2021年 12月 28日(火)~ 2022年 1月 28日(金)、 2月 3日(木)~ 2月 28日(月) |
主催者 | 水産物・水産加工品輸出拡大協議会 |
事務局 | 国際ふぐ協会 |
事業目的 | シンガポールには 、日本からのフグの筋肉部位の輸入が認められている。筋肉部位以外の部分まで輸入認められるためには、日本のフグ食文化が安全であることが理解され、広く浸透することが重要なポイントと考えられる 。 そこで、ブリ、ホタテと共に フグ の安全性を継続的 にアピールすることにより、輸入が解禁された場合のさらなる輸出拡大につなげることを事業目的とする。 輸出拡大に向けたプロモーションの継続的な実施 により、取引を希望するバイヤーが増加しており、シンガポール政府は、前々年度 に本事業での輸出プロモーションの一環として実施した「日本産フグ勉強会」等の効果もあり、 フグの白子、皮、ヒレ部位についての輸入解禁議論が活発となっている。 このため、この機を活かし、現地のサプライヤー、レス ト ランシェフと情報共有し、重点品目のブリ、タイ、ホタテと共に 日本産フグの安全性やおいしさをアピールする。 |
事業内容 | 1).バイヤーへのPR活動 フグ、ブリ、ホタテのサンプルをシンガポールの有力バイヤー約200店に、調理・試食をしていただき、取引への感想等を回収する。 2).レストランでの試食会 日本の水産物に適切な理解があるレストランを選定し、消費者(計100名)にフグ、ブリ、ホタテの試食メニューを提供し、同レストランのシェフと試食者に味 、安全性、流通等についてのアンケートを実施。 |
成果 | バイヤー約200店へのPR 活動により、5,000万円の成約を見込める成果を得た。 |
事業報告
1. バイヤーへのPR活動
- 実施内容
- 試食用サンプルを現地の食品商社(ニチリョーフーズ、OMI トレーディング)を通じて、現地の有力バイヤーにフグの産地や調理事例のパンフレットと共に配布し、調理、試食していただくことによりPR活動を行った。また後日、アンケートを実施した。
- 実施期間
- 2022年 12月 28日(火) ~ 1月 28日(金)
- 配布数
- 200 店
<アンケート結果>
フグ |
思いの他、反応が良く、「たんぱくで美味しい」、「コロナ後の新メニューに検討したい」、「輸入は出来るのですか」等の反応を得た。成約が得られた先もあった。 ≪バイヤー ・ ディストリビューターから寄せられたコメント≫・フグを怖がる人は、年々少なくなっている。 |
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ブリ |
ブリは、現地に定着していることを感じながら、「ブリなら生食」との印象が強く、輸出拡大には、メニュー提案が必要と感じられる結果となった。 ≪バイヤー ・ ディストリビューターから寄せられたコメント≫・ぶりのレモンソテーがシンガポール市場に受け入れてもらえるには、現地に適したメニューの提案が必要と思われる。 |
ホタテ |
殻付きの高級ホタテを提案したが、味への評価は高いものの、価格をメニューに転嫁することが難しいとの印象であった。 ≪バイヤー ・ ディストリビューターから寄せられたコメント≫・帆立は、価格が厳しい。卸値と小売価格の差も無く、扱いづらい。 |
その他 | シンガポールの食事情や規制・検疫などバイヤー ・ ディストリビューターから多くのコメントが寄せられました。 |
2. レストランでの試食会
- 場所
- 「厨ダイニング」
- 期間
- 2022年 2月 3日(木) ~ 28日(月)
- 選定
- 当初、現地での浸透を図るべく、中国料理の名店「四川豆花飯荘」での実施を予定していたが、コロナ感染者数の拡大で、スペースが確保できない等の理由から、実施不可となった。 そこで、日本の水産物を深く理解し、安全に提供できる先として日本料理店を候補に 、現地で評価が高い「厨ダイニング」を選定した。
- サンプル試食メニュー
- コメント
-
≪試食者から寄せられたコメント≫
1). 味・食感について
・初めて食べたが、触感だけで味はそうでもなかった。
・握りずしより、蒸したフグの方が美味しい。
・歯ごたえが、面白い。2). 経験・フグ食文化について
・日本でしか食べられないと思っていたので、シンガポールで食べることが出来て嬉しかったし、驚いた。
・日本を思い出して、ひれ酒も飲みたい。
・日本に旅行に行ったら、皮までコースで食べてみたい。3). 毒について
・フグはやはり毒が怖いので、信頼できるシェフのところでしか食べたくない。厨ダイニングは、信頼できるので今日は楽しめた。
・毒への不安と共に食べたので、味がよく分からなかった。
※毒が無いのかを何度も確認され、お客様の前で一切れ食べて見せてから、ようやく食べていただいた。 食べた後は、和やかな雰囲気になりました。≪シェフから寄せられたコメント≫
1). フグ
・思ったよりフグに対する拒否反応がなく、ほとんどのお客様が楽しんでくださっているのが予想外で、フグを拒否されたお客様は、3組のみでした。
白子については、ほとんどの方がご存じありませんでした。食べてみたい方は、今のところ50%ぐらいでしょうか。皮、特にヒレやヒレ酒については知っておられる方が多かったです。
何人かのお客様にはてっちりのフルコースが出来るかも尋ねられました。
今回の総評として、まだまだフグを食べたことの無いお客様が多かったこと、フグの毒に対しての抵抗が以前よりなかったこと、何よりフグへの反応が予想以上に良かったことが、私の予想と違っていました。このようなチャンスをいただき感謝いたします。2). ホタテ
既に浸透している食材ですので、ほとんどのお客様が普通においしいと仰っておられました。
人気の食材ですが、現地に適した価格設定を望みます。3). ブリ
生食需要が根強いので、加工品を浸透させるには、ハードルが高い。
過去の事例から、虫、病気等のない安全なブリに関心があります。
5キロ程度では、ハマチとみなすので、8キロくらいは欲しい。脂の乗りが、求められる。
総括
プロモーション開催時の現地コロナ感染者は1日800人程度でしたが、2月中旬には13,000人と爆発的に増えましたが、シンガポール政府はレストランでの会食人数が1グループあたり5名以下とした程度で厳しい規制をしませんでした。 オミクロン株は重症化をしないため、ソーシャルディスタンスに気を付けて経済を回していく新スタイルを行っていました。
そんな中、日本からの渡航はできず、今回は現地で日本レストラン最大グループのRE&Sさんのご協力を得て、厨ダイニングに来店されるセレブ層の消費者やバイヤーの方々に日本産フグ、ブリ、ホタテの試食を実施することができました。
日本への旅行ができないコロナ禍のシンガポールにおいて、日本食高級レストランは娯楽として大人気とのことで、フグなども受け入れやすくなっていたと想像します。
また本レストランの最高級お任せコースをオーダーされる常連さんも多く、シェフとの顔なじみのお蔭でヒアリングが細かくインタビューできたのは幸いでした。
その中で印象に残ったのは、フグについて怖がるお客様が少なくなったこと、思いのほかフグが人気だったということです。
シンガポールでのフグプロモーションは3回目となりますが、少しずつ現地でのフグ認知が進んでいると感じました。
また、現地サプライヤーのニチリョウフーズ社、OMIトレーディング社が年末~春節前の忙しい時期にも関わらず、レストラン200店にサンプルを配布いただき、アンケートやメニュー開発にもご協力をいただきました。
このアンケート結果より、年々フグに対する高評価が増えていること、トラフグミガキ皮ヒレがNGのため現在は輸入不可の要望が強いことが伺えます。
ブリは加熱より生食のマーケットがもっとありそうですし、ホタテは高額のため生食よりもベビーホタテなども試す必要があると感じました。
また、今までになく多くのレストランでフグメニュー採用や検討していただけることが出来ましたことは、しっかりとして手ごたえと将来性を感じる結果となりました。関係各位に心より感謝申し上げます。
今回は2019年フグ勉強会を実施したシンガポール食品庁の輸出入担当者からも興味をいただきました。フグ皮、ヒレ、白子部位についても日本政府と話し合いが継続されておりますので、一日も早く解禁されることを切に願っております。
近年の日本産フグプロモーションにてシンガポールでは日本産フグが確実に認知され、今後の輸出拡大が期待されます。
各レストランとも協力し、今後さらによいプロモーションができるよう、引き続き努力して参りたいと思います。